GEN's TEA ROOM
The way of Tea
茶の湯事始め
3年前、同窓会ゴルフコンペの懇親会の折り、食事前に別棟の茶室で薄茶がふるまわれました。
6畳の狭い空間にお客が8人、その上、亭主と半東で総勢10人。 ずいぶんと窮屈でしたが、その時の一服のおいしかったこと!
友人の中に一人、お菓子のいただき方、お茶のいただき方、そして茶碗の拝見の所作が、実に自然で優雅な友人がいました。
彼の父親は茶道具貧乏せんばかしの茶道楽で、父親の趣味にはその不経済さ故、いつも否定的でした。
しかし、門前の小僧、いつしか自然に作法を会得したのです。 彼の格好の良い所作を見て私も俄然、茶の湯に興味がわきました。
思い立ったが吉日、先生探しから始めました。 稽古時間との兼ね合いで、先生探しは半年かかりました。
結局、近所の86歳のお婆さんに教えてもらえることになりました。 先生は半分ほどの齢の僕より記憶力、頭の回転、オシャレ度もはるかに上の、スーパーばあちゃんです。
「後にも先にも弟子はあんただけ」、とおだてられ、毎週木曜、お婆さんのお屋敷に通う事となりました。
スーパーばあちゃんとはいっても86歳、冬の寒い日は「こたつの中で」と、自由度の高い稽古です。
その上、干菓子や主菓子は日本各地の銘菓です。 そんな先生も、時々は手順がごっちゃになり教科書見ながら、なんて事もあって、とても気軽で楽しい一時です。
楽しいのは稽古だけではありません。 スーパーばあちゃんの最も得意とする民芸の話や西条の昔話
、四季折々の歳時記にまつわる豊富な話題が面白くないはずがありません。
いつしか木曜午後7時から2時間は、私の一週間にメリハリをもたらしました。
半年を過ぎるころ、稽古の師範は3人に増えました。 いずれも60歳近いご婦人で、この3人の前では45歳の私は、ほんのはな垂れです。
稽古場はいつも香り高いお香がたかれ、四季折々の茶花と掛け軸に茶道具。 これを眺めてはうんちくを聞き、問答を交わしながら、五十年、百年、更に遥か二百年の昔へと思いを馳せます。
これが私の茶の湯事始めです。