第3章 研削機械

3−1 研削盤


3−1−1 研削加工とは

かたいと(砥)粒を結合剤で固定した砥石を高速回転させ、これに工作物を押し当て表面を微小切削する加工法を研削という。これは工作物の形状に応じていろいろの形のものが用いられる。研削をおこなうためには、工作物の形状に応じて円筒研削盤、内面研削盤、心なし研削盤、平面研削盤などの研削盤が用いられる。一般に、砥石の回転速度は非常に大きく、周速にして30〜60m/s程度であり、ほかの工作機械の切削速度よりも一桁大きい。したがって、砥石および回転軸周辺のバランスと剛性の保持が大切であり、また研削熱によるちしおよび工作物の温度上昇を防ぐために潤滑を兼ねた冷却材としての研削液が用いられる。


3−1−2 研削盤のあらまし

研削といしを回転させて工作物を加工することを研削(grinding)という。研削盤(Grinder、Grinding machine)は、研削加工をする工作機械である。研削といし(grinding wheel)は、かたい鉱物質でできたと粒(grain)と結合剤(bond)で固めたもので、たくさんの切れ刃が立体的に積み重なっている工具である。研削は、しばしばフライス加工と比べられる。どちらも刃先で切りくずをだしながら加工をしていくが、研削では、一刃の削る量はフライスに比べ非常に小さい。


3−1−3 研削加工の特徴

 研削の特徴としては、つぎに述べるようなことがいえる。

(1)と粒は、きわめてかたい鉱物質でできているので、ほとんどあらゆる材料を高速度で削ることができる。

(2) 微小量の削取りができるので、精密加工ができる。
 したがって、研削加工は鋳ばり取りのようなおおまかな作業から、鏡のような平滑な面が得られる精密研削まで、ひろく利用される。
 研削加工の方法や工作物の種類などによって、研削盤の種類にはつぎのようなものがあげられる。

 1.  円筒研削盤(Cylindrical grinder、Plain grinder)
 2.  万能研削盤(Universal grinder)
 3.  内面研削盤(Internal grinder)
 4.  平面研削盤(Surface grinder)
 5.  心なし研削盤(Centerless grinder)
 6.  ならい研削盤(Contour grinder、Profile grinder)
 7.  万能工具研削盤(Universal tool and cutter grinder)
 8.  工具研削盤(Tool grinder、Cutter grinder)
 9.  ジグ研削盤(Jig grinder)
 10.  ねじ研削盤(Thread grinder)
 11.  ウォーム研削盤(Worm grinder)
 12.  歯車研削盤(Gear grinder、Gear grinding machine)
 13.  クランク軸研削盤(Crank-shaft grinder)
 14.  クランク ピン研削盤(Crank-pin grinder)
 15. カム研削盤(Cam grinder)
 16.  スプライン研削盤(Spline grinder)
 17.  ロール研削盤(Roll grinder)
 18.  軸受みぞ研削盤(Race way grinder)
 19.  卓上研削盤(Bench grinder)
 20.  数値制御(NC)研削盤
 21.  その他の研削盤

3−1−4 各種研削盤の特徴

(1)円筒研削盤
 円筒形工作物の外周を研削することを、円筒研削(cylindrical grinding)という。円筒研削盤とは、おもに、円筒研削を行なう工作機械である。


(2)万能研削盤

全体のしくみは円筒研削盤とほぼ同じであるが、工作主軸台と、といし台が旋回できるところが特徴である。
円筒研削盤は生産性に重点をおくのに対し、万能研削盤は多能性、はん(汎)用性に重点をおいたもので、工作主軸台、といし台が旋回できることのほかに、内面研削装置をもつなど、ひろい範囲の作業ができる。


(3)内面研削盤

工作物の内面(穴面)を研削する研削盤である。内面研削は、トラバース カットによることが多いが、工作物の形状によっては、プランジ カットや、端面研削も行なわれる。
 内面研削盤は、工作主軸台、といし台、テーブル、ベッドなどからなり、工作物とといしの運動によって
 1.  工作物回転形
 2.  プラネタリ形(planetary type)
がある。工作物回転形の内面研削盤は、小形で釣合いのとれた形状の工作物に適し、プラネタリ形のものは、大形工作物や重心の位置が片寄っている工作物に適する

(4)平面研削盤
 平面研削盤は、工作物の平面を研削する研削盤である。
 平面研削盤には、といし軸の向きによってつぎのように分けられる。

 1.  立て軸形
 2.  横軸形
 3.  可変形
 4.  複合形

また、工作物を取り付けるテーブルの形とその運動によりつぎの2種類がある。
 1.  角テーブル往復形
 2.  丸テーブル回転形

工作物を取り付けるテーブルをもたないものもある。

1. 立て軸円テーブル形平面研削盤 

立て軸円テーブル形平面研削盤(Vertical spindle rotary table type surface grinder)は、回転する円テーブル(magnetic rotary table、rotary table)をもち、テーブル上面に垂直なといし軸をもつ平面研削盤で、比較的小形の工作物を能率よく研削できる。

2. 立て軸角テーブル形平面研削盤 

立て軸角テーブル形平面研削盤(Vertical spindle reciprocating table type surface grinder)は、往復運動する角テーブル(reciprocating table)をもち、といし軸が、テーブル上面に垂直な平面研削盤で、比較的大きな工作物の重研削に適する。

3. 横軸円テーブル形平面研削盤 

横軸円テーブル形平面研削盤(Horizontal spindle rotary table type surface grinder)は、回転する円テーブルをもって、といし軸がテーブル上面に平行な平面研削盤で、小形工作物や円板状、リング状工作物の研削に適している。

4. 横軸角テーブル形平面研削盤 

横軸角テーブル形平面研削盤(Horizontal spindle reciprocating table type surface grinder)は、往復運動する角テーブルをもち、といし軸がテーブル上面に平行な平面研削盤である。型やジグなどの精密研削や一般平面研削に適する。

5. 両頭形平面研削盤 

二つのといしを向き合わせて回転させ、このあいだに工作物を通して両面を同時に研削する研削盤である。ころがり軸受の内輪、外輪、ピストン リングなどのように両面が平行な工作物の多量生産に適する。


6. 案内面研削盤 

案内面研削盤(slide way grinder、bed grinder)は立て軸と横軸のといし頭をもち、あるいは軸の向きを変えることのできるといし頭をもち、工作機械などのベッドすべり面を研削する研削盤である。


3−1−5 心なし研削盤

工作物を、チャックやセンタで保持しないで研削する方法を心なし研削(centerless grinding)といい、これを行なう研削盤を心なし研削盤という。


3−1−6 ならい研削盤

型板や、図形にならって行なう研削を、ならい研削(profile grinding)といい、これを行なう研削盤をならい研削盤という。抜き型、ゲージ、工具などで複雑な形状をもつものの研削に使用される。


3−1−7 万能工具研削盤

工具類の研削に使用される研削盤である。
円筒研削装置、内面研削装置のほか、各種フライス、リ−マ、ホブなどの工具類を研削するために、豊富な付属装置をもっている。


3−1−8 工具研削盤

特定の工具を研削する研削盤で、工具の種類に応じて各種のものがあ

(1)ドリル研削盤

ドリルの先端部を研削するものである。ドリル研削盤は、さらに、端面(逃げ面)を研削するもの(ドリル ポインタ)と、ウェブを研削するシンニング マシンとがある。

(2)ホブ研削盤

ホブのすくい面を研削するための工作機械である。

(3)正面フライス研削盤

正面フライス研削盤は、おもに、超硬植え刃フライスの研削を、精密に作業するものである。

(4)超硬バイト研削盤

 超硬バイト研削盤とは超硬バイトをダイヤモンドといしによって研削するものである。

(5)ブローチ研削盤 

これは、ブローチの研削をするものである。

(6)シェービング カッタ研削盤 

歯車仕上げ用のシェービング カッタを研削するためのものである。


(7)のこ刃研削盤 

丸のこ金切り盤などの、のこを研削するものである。

3−1−9 歯車研削盤

歯車の歯面を研削仕上げするもので、仕上げる歯車の種類によって、つぎのようなものがある。

 1.  平歯車およびはすば歯車研削盤
 2.  かさ歯車研削盤
 3.  まがりばかさ歯車研削盤
 4.  内歯車研削盤