ベーチェット病

 

『ベーチェット病』とは 

 ベーチェット病は、厚生省の特定疾患治療研究事業対象疾患に指定されている難病の1つであり、現在我が国では、世界で最も多い15,000~18,000人の患者が存在すると推定されています。 

 主症は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍や外陰部潰瘍、虹彩炎、ブドウ膜炎など目の症状、皮膚の発疹などです。そのほかにも関節炎、消化管病変、血管病変、中枢神経病変などが認められる全身性炎症性疾患で、症状の憎悪と寛解を繰り返しながら慢性の経過をたどります。そして、重症になると失明し、脳や末梢神経が侵されることもあります。発症の好発年齢は20歳から40歳代で、症状憎悪因子として過労、寒冷、気圧配置の変化、感染、外傷などが挙げられています。 

 

漢方療法

 ベーチェット病に対する漢方療法は、漢方薬の
 抗炎症作用
 粘膜強化作用
 血小板凝集抑制作用
などを利用します。

 症状が軽いときは、湿熱と毒邪を除去する金銀花を茶剤として、煎じて服用しても効果があります。

 漢方処方としては、「温清飲」がよく使われています。温清飲は、清熱瀉火の「黄連解毒湯」と補血活血の「四物湯」を合方したもので、血虚・血熱の基本処方です。ベーチェット病が粘膜皮膚症状を伴う炎症性疾患であることから、粘膜潰瘍や皮疹の改善を目的に使用します。

 同じく血虚・血熱の「証」でも、外陰部潰瘍など泌尿器・生殖器の慢性炎症の改善には、温清飲に去風や清熱、利湿の生薬を加えた「龍胆瀉肝湯」を処方します。また、血虚に気虚を伴う粘膜潰瘍には、気血双補の「十全大補湯」を処方します。

 また、手足がほてり、いらだって落ち着かない、口が乾いて苦い、外陰部の潰瘍が暗赤色を呈し灼かれるように痛むときは、「一貫煎」と「二至丸」、「六味丸」などを処方します。