関節リウマチ以外の重要なリウマチ性疾患 3.偽痛風:ピロリン酸カルシウム結晶沈着症について 奥田 恭章
症状と特徴
ほとんどが痛風に似た急性または亜急性の単関節炎で、膝関節にもっとも起こりやすく、他に、肩、足、手、股関節などにも現れることがあります(慢性型や多関節炎型も頻度は少ないですがあります)。 痛風と異なり、男女比は1:2〜3で女性に多く、好発年齢は65歳から80歳くらいと高齢であるのが特徴です。 原因は、痛風は尿酸結晶が関節内に沈着して起こりますが、偽痛風は、ピロリン酸カルシウムが、関節内の軟骨に沈着し、 これがなんらかの原因で関節内にはがれ落ちたときに、白血球が反応して炎症反応を起こし発症します。 時に高熱を伴って、発赤、激痛を伴うこともありますので、細菌性の関節炎と鑑別する必要があり、関節穿刺で関節液中にピロリン酸カルシウムを顕微鏡で確認することが重要です。 また、X線で軟骨の石灰化を見つけることも診断の重要なポイントになります。X線で軟骨石灰化が生じやすい部位として、膝関節、手首の三角軟骨・靱帯、骨盤の恥骨結合線維軟骨でこの3カ所は必ず X線写真を撮り診断の参考にします。
治療
1.発作時
- 非ステロイド系抗炎症剤(痛みと炎症止め)を投与します。
- 炎症が非常に強い時は、関節液を穿刺排液し、ステロイド剤を注射します。
2.非発作時:発作を繰り返す場合
コルヒチン(白血球の機能を抑える)を1日に1-2錠、症状の軽減や発作の予防のために内服してもらうことがあります。 慢性、多関節型の場合は、非ステロイド系抗炎症剤で治療しますが、症状の強い時期には、しばらくの間、ステロイド剤を少量内服してもらうこともあります。
注意点
発作の誘発因子として、関節への外傷、肺炎や心筋梗塞、外科手術など体に大きな侵襲が生じた際に生じることがあるのもこの病気の特徴の一つです。 非常にまれですが、頸部に沈着して発作が生じることもあり、髄膜炎様の症状が現れることがあります